20240905第5回Oral Science Cafe訪問歯科・医療安全と多職種連携をめぐる意見交換
全体要約(喋ラボ様のご協力により自動で生成しております)
日時:2024/09/05 19:00~
参加者:Kanichi Seto / sikimori/ 和泉逸平 / Miyazaki / 他
全体要約
昭和大学での学術大会とeラーニングを礎に、国際歯科医療安全機構として歯科医療の「医療の一部としての位置づけ」を強める方針が共有された。特に、訪問歯科・介護施設における感染対策とスタッフの労働安全を新たな重点テーマとし、安倍先生らと共同でエビデンスに基づくマニュアル整備に取り組むことを確認。併せて、歯科関連ガイドラインの横断的一覧化、病院歯科・口腔外科をセンターとした地域連携モデル、多職種連携・医科歯科連携の強化、eラーニング・民間検定の活用など、学会横断組織としての具体的な役割拡大が議論された。
昭和大学学術大会・eラーニングの振り返りと今後の方針
昭和大学での学術大会は「非常に良かった」との評価で一致。これをベースに半年ごとの更新型で内容を発展させる方針。
厚生労働省(歯科保健課長、管理官など)を積極的に招き、厚労省と歩調を合わせた医療改革・歯科医療安全施策を進める方針が確認された。
現在実施中のeラーニングは施設基準の5項目をカバーし、瀬尾先生の医療事故ドラマなど質の高い講演が揃っているため、歯科医師・歯科衛生士への登録・受講を強く推奨。
eラーニングは9月末まで公開(当該時点)。今後も内容を更新し、学会横断的な「患者安全」「口腔医療安全」の教育基盤として継続する。
和泉さんが学術大会・eラーニング立ち上げに大きく貢献したことが共有され、今後も企画・連携面での中心的役割を期待。
訪問歯科診療・介護施設における感染対策・労働安全の課題
安倍先生より、2035年に向けた高齢化(人口1.1億人、高齢者4,000万人規模)を踏まえ、訪問診療ニーズの増大と感染・労働安全リスクの指摘。
在宅・施設での歯科治療時に生じる飛沫・切削屑・スプラッタによる飛沫・空気感染、水平感染(家族間)、医療スタッフ感染の懸念。
労働衛生分野では作業環境測定(ヒューム、化学物質濃度等)とA/B区分・労災リスク評価が確立している一方、医療現場、特に訪問診療には同等の基準がほぼ存在しない。
感染した歯科衛生士・スタッフが「労災」として訴える可能性もありうるため、衛生概念を訪問現場へ明確に導入する必要があると提起。
現状、訪問・施設での感染対策に関する明確な基準やマニュアル、エビデンスは乏しいことを参加者全員が確認。
瀬戸先生は「大きな課題として認識している」とし、「安倍先生と一緒に取り組みたい」と明言。
訪問歯科・介護現場における感染対策とスタッフ防護を体系化する方針を共有。
具体的には、現場実態調査、環境評価、推奨機器・手順、個人防護・換気・廃棄物処理などを含むマニュアル化を視野に入れる。
介護施設側もCOVID‑19で大きな打撃を受けており、「国家レベルの人流抑制」だけでなく「施設単位の個人防護・感染対策」の重要性が確認された。
安倍先生・瀬戸先生で、後日「作戦会議」を持ち、共同プロジェクト化する方向で合意。
病院歯科・口腔外科をセンターとした訪問診療支援体制構想
訪問歯科診療の現状:
多くの現場では「義歯清掃をして帰る程度」にとどまり、重度有病高齢者への本格的な診療までは手が回っていない実情が共有された。
有病高齢患者を、医師不在・設備不十分な場で安全に診療することは困難であり、現在の訪問歯科は体制として未成熟との認識。
装備の課題:
デジタルX線撮影は訪問診療に必須だが、防護体制が整った携行型システムはほとんどなく、瀬戸先生が現在開発を進めている。
瀬戸先生案:
各地域の病院歯科・口腔外科(特に病院口腔外科)が、訪問歯科・地域歯科を支える「センター(ハブ)」となるべき。
自身が関わる南東北グループ4病院(その一つが総合東京病院)をモデルとし、
訪問歯科を担う開業医への指導・アドバイス
緊急時の受け皿(すぐに受け入れ・出動できる体制)
医科バックアップを持つ口腔外科としての安全保障
を実装した「支援機構」を構築したい。
国際歯科医療安全機構として、このような体制づくりを自らの使命の一つと位置付ける。
ガイドラインの整理・一覧化と学会横断的な情報提供
式守先生より、以下の課題と提案:
診療の均一性・質保証のためにはガイドライン遵守が不可欠だが、「どの分野のガイドラインがどこにあり、いくつあるのか」が把握しづらい。
各学会が独自にガイドラインを作成しており、全体像が見えない。
国際歯科医療安全機構のHPなどに「関連ガイドライン一覧」を掲載し、
どのテーマならどのガイドラインを見るべきか、エビデンスレベル(A/B/C等)を一目で把握できる仕組みを作ることを提案。
現状認識:
口腔外科学会、インプラント関連学会などではガイドラインが充実しつつある。
歯科放射線学会でも放射線治療・BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)に関するガイドライン整備に向けた動きがある。
ただし、各学会間での整合性・連携は乏しく、歯科学会全体での統合管理も不十分。
瀬戸先生の見解:
本来は日本歯科医学会や専門医機構がガイドラインを統括すべきだが、現状はまだ途上。
国際歯科医療安全機構として、横断的にガイドライン情報を集約し、窓口・ハブとなる役割を担いたい。
具体的な進め方:
和泉さんが中心となり、各学会の公開ガイドラインをリストアップ・整理する。
医療ガイドラインは公開情報であり、学会外の者が閲覧・整理することに問題はないことを確認。
整理した一覧は機構内で共有し、最終的には会員・関係者へ広くディストリビュートする方向。
人材配置:
瀬戸先生より、式守先生に「機構の幹部として、ガイドライン整理・連携をリードしてほしい」と依頼。
式守先生は、現場からはやや離れているものの、関係者と相談しつつ可能な範囲で協力する旨を表明。
多職種連携と医科歯科連携の強化、教育・研修制度への提言
多職種連携の必要性:
訪問診療・終末期医療・がん治療などでは、歯科医師/歯科衛生士、医師、ST(言語聴覚士)、PT/OT(理学・作業療法士)、管理栄養士、看護師等のチーム医療が不可欠であることを再確認。
国際歯科医療安全機構は、歯科側のコ・メディカルだけでなく、医科側コ・メディカルとも連携するプラットフォームになるべきという方向性が示された。
病院システムと開業歯科のギャップ:
以下の世界では、開業医–病院–大学病院という三層構造と紹介・逆紹介のシステムが確立している。
一方、歯科は「大学と開業医」の二層にとどまり、病院歯科が組織的に位置づけられていないことが、医科との連携・重症患者対応の大きなボトルネック。
歯科医師会は「開業医の同業組合」としての性格が強く、病院歯科との連携が弱いとの問題意識が共有された。
卒後研修・教育改革への提言:
現行制度で「卒後研修を開業医のもとでも実施可」としたことは誤りであり、卒業直後は「病院人」「医療人」として、まず病院で研修すべき。その後に開業するのが望ましい。との意見が示された。
参加者からも、「1年のうち半年を大学病院・病院での研修を義務化すべき」との提案があり、概ね賛同。
医科歯科大学時代に、前半3年間を医・歯同一カリキュラムで学んだ経験(基礎医学を共通受講)が非常に有益だったとの回顧があり、「医学・歯学共通進学課程の復活」が理想とされた。
ただし、現在は医学部と歯学部の入学学力差が拡大しており、当時とは条件が異なるという現実的な課題も指摘。
医科側への周知の難しさ:
例として、開業医が化学療法中患者の「手術期口腔管理」を申し出ても、主治医側が制度・意義を理解できず、算定に至らなかったケースが紹介された。
医科側の「歯科への関心の低さ」は屈辱的ではあるが、これは歯科側の発信不足でもあり、特に口腔外科の責任が大きいとの自己反省が共有された。
東京病院などを「医科歯科連携の拠点」とし、現場で医科に働きかけ続ける必要性が確認された。
口腔ケア+嚥下リハビリテーションのモデルと収益性・開業歯科との関係
昭和大学チームの取り組み:
接触・嚥下リハビリテーションと口腔ケアを組み合わせたチーム医療が紹介され、参加者から「モデルケースとして非常にうらやましい」と高評価。
術前術後管理と栄養状態の改善の観点から、口腔管理の重要性が改めて強調された。
南東北グループ(日本病院・総合南東北病院など)のモデル:
全入院手術患者(年間約2,000例)を原則として口腔外科を経由させ、口腔ケア、STと連携した嚥下リハビリテーションを一体的に実施。
主目的:術後肺炎の防止・入院期間短縮。
STとの協働により、診療報酬上も十分な収益が得られており、「口腔ケア+嚥下リハ」は経済的にも成立するモデルであることが説明された。
歯科が関与することで、医科側にもメリット(合併症減少・在院日数短縮)があり、win–winの関係になりうる。
開業歯科の受け止め方:
和泉さんから「病院歯科の話として聞こえ、開業歯科には自分事として伝わりにくいのでは」との問いかけ。
宮崎先生:
開業歯科でも、病院・介護施設に積極的に出て行く姿勢が必要であり、「待っているだけでは患者は来ない」。
ただし、それぞれの開業医のキャパシティや興味にも依存するため、全員が同じレベルで関与するのは現実的には難しい。
病院との明確な連携窓口・プロトコルがあれば、開業側も動きやすくなるとの見解を示した。
歯科放射線・がんリハビリ・補綴との連携(口腔がんを中心に)
放射線防護・BNCT:
松本歯科大学の田口先生による放射線防護の講演は、現在のeラーニングプログラム内でも「名講演」として高く評価されており、参加者にも視聴が推奨された。
口腔・頭頸部腫瘍を主なターゲットとするBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)は、歯科・口腔外科が深く関与すべき領域であり、紹介・適応判断のガイドライン整備を急ぎたいとの意向が示された。
歯科放射線学会と国際歯科医療安全機構の共同歩調について、瀬戸先生が理事長らと折衝中であることが共有された。
名古屋・愛知での基盤:
医先生(愛知学院卒、歯科放射線学会所属)が途中参加し、愛知県の開業状況や放射線関連活動についてコメント。
愛知県は歯科医師会入会率・病院口腔外科の層も厚く、「木を見て森を見ない」開業医が多い一方、ポテンシャルは高いと指摘。
瀬戸先生は、過去に国際口腔外科学会会長として活動した経験から「名古屋・愛知の力は大きい」と述べ、eラーニングや機構活動の愛知での展開を依頼。
愛知在住のフリーランス歯科衛生士(宮本さん)の存在が紹介され、医先生と連携して普及・連携を進めることが提案された。
口腔がんリハビリ(顎顔面補綴):
顎顔面補綴学会/顎顔面インプラント学会について、瀬戸先生は創設メンバーとして、両学会の共同開催・将来的な統合の意義に言及。
がん領域では臓器別に「がんリハビリ」が整備されつつあるが、口腔がんでは「顎顔面補綴そのものががんリハビリに相当する」との考えが示された。
今後の学会で、この視点を広め、医科側がんリハビリチームとの連携を強めていく方針。
民間検定試験(リテラシー検定)構想
和泉さんより、国際歯科医療安全機構としての「民間検定」立ち上げ構想が紹介された。
例:がんリテラシー、医療安全リテラシー、口腔ケア・嚥下ケアなどに関する検定。
マイクロソフト検定を運営するオデッセイコーポレーションの社長が、和泉さんらの高校の先輩であり、メールマガジンを通じて本構想に関心を示している。
オデッセイ社と連携し、既存のIT系検定運営ノウハウを活かした医療系リテラシー検定の可能性を探る予定。
今後、瀬戸先生・宮崎先生らとも相談し、内容設計・対象者(歯科医師、コ・メディカル、一般市民など)を検討していく。
会員拡大・組織運営に関する確認事項
国際歯科医療安全機構は、
口腔外科学会
歯科放射線学会
口腔内科学会・口腔科学会
歯科麻酔学会
歯科衛生士会
など、口腔医療関連学会・職種を横断する組織として活動していることを改めて確認。
瀬戸先生より:
今回のサイエンスカフェでの提案・意見を「機構の中核メンバーによる実行課題」と位置づけたい。
参加した先生方には、可能な範囲で「中核メンバー・幹部」としてプロジェクトを担ってほしいとの要請。
安倍先生:訪問診療の感染対策・労働安全マニュアルプロジェクト。
志岐森先生:ガイドライン一覧化・学会連携。
医先生:愛知県でのeラーニング普及・歯科放射線/フリーランス衛生士との連携。
泉さん:全体企画/ガイドライン収集/民間検定企画/多職種・介護分野との橋渡し。
会員拡大:
参加者の多くはすでに会員であるが、今後、歯科医師だけでなく、歯科衛生士、ST、PT/OT、栄養士、看護師など、多職種への会員拡大を進める。
特にフリーランス歯科衛生士のネットワーク拡大が重要との認識を共有。
国際歯科医療安全機構は、
口腔外科学会
歯科放射線学会
口腔内科学会・口腔科学会
歯科麻酔学会
歯科衛生士会
など、口腔医療関連学会・職種を横断する組織として活動していることを改めて確認。
瀬戸先生より:
今回のサイエンスカフェでの提案・意見を「機構の中核メンバーによる実行課題」と位置づけたい。
参加した先生方には、可能な範囲で「中核メンバー・幹部」としてプロジェクトを担ってほしいとの要請。
安倍先生:訪問診療の感染対策・労働安全マニュアルプロジェクト。
志岐森先生:ガイドライン一覧化・学会連携。
医先生:愛知県でのeラーニング普及・歯科放射線/フリーランス衛生士との連携。
泉さん:全体企画/ガイドライン収集/民間検定企画/多職種・介護分野との橋渡し。
会員拡大:
参加者の多くはすでに会員であるが、今後、歯科医師だけでなく、歯科衛生士、ST、PT/OT、栄養士、看護師など、多職種への会員拡大を進める。
特にフリーランス歯科衛生士のネットワーク拡大が重要との認識を共有。
国際歯科医療安全機構は、口腔外科学会・歯科放射線学会・口腔内科学会・口腔科学会
歯科麻酔学会・歯科衛生士会など、口腔医療関連学会・職種を横断する組織として活動していることを改めて確認。
瀬戸先生より:
今回のサイエンスカフェでの提案・意見を「機構の中核メンバーによる実行課題」と位置づけたい。
参加した先生方には、可能な範囲で「中核メンバー・幹部」としてプロジェクトを担ってほしいとの要請。
安倍先生:訪問診療の感染対策・労働安全マニュアルプロジェクト。
式守先生:ガイドライン一覧化・学会連携。
医先生:愛知県でのeラーニング普及・歯科放射線/フリーランス衛生士との連携。
和泉さん:全体企画/ガイドライン収集/民間検定企画/多職種・介護分野との橋渡し。
会員拡大:
参加者の多くはすでに会員であるが、今後、歯科医師だけでなく、歯科衛生士、ST、PT/OT、栄養士、看護師など、多職種への会員拡大を進める。
特にフリーランス歯科衛生士のネットワーク拡大が重要との認識を共有。

